○石川町債権管理条例

令和3年12月28日

条例第33号

(目的)

第1条 この条例は,町の債権の管理に関する事務について,必要な事項を定めることにより,公正かつ公平な町民負担を確保し,町の債権を適正かつ効率的に管理することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 町の債権 金銭の給付を目的とする町の権利をいう。

(2) 町税 町の債権のうち,地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係るものをいう。

(3) 公債権 町の債権のうち,地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第231条の3第1項に規定する歳入に係るものをいう。

(4) 強制徴収公債権 公債権のうち,法第231条の3第3項その他法律の規定に基づき,国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。

(5) 非強制徴収公債権 公債権のうち,強制徴収公債権以外のものをいう。

(6) 私債権 町の債権のうち,町税及び公債権以外のものをいう。

(7) 法令等 法律及び法律に基づく命令並びに条例及び規則をいう。

(他の法令等との関係)

第3条 町の債権の管理に関する事務の処理については,他の法令等に特別の定めがある場合を除くほか,この条例の定めるところによる。

(町長等の責務)

第4条 町長及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第7条の規定により置く管理者(同法第8条第2項の規定により管理者の権限を行う町長を含む。)(以下「町長等」という。)は,法令等に基づき,適正かつ効率的に町の債権を管理しなければならない。

2 町長等は,町の債権管理の適正化及び効率化を図るため,町の債権管理についての手続を定めるとともに,町の債権管理に関する事務処理について必要な調整を行わなければならない。

(台帳の整備)

第5条 町長等は,町の債権を適正かつ効率的に管理するため,規則で定める事項を記載した台帳(電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)を整備しなければならない。

(督促)

第6条 町長等は,町の債権について,その履行期限までに履行しない者があるときは,法令等の規定により,期限を指定してこれを督促しなければならない。この場合において,当該督促は,督促状を発してしなければならない。

(延滞金)

第7条 町長等は,公債権について前条の規定による督促をした場合においては,当該督促をした金額(その額に1,000円未満の端数があるときはその端数金額を切り捨てた金額とし,その債権の全額が2,000円未満であるときはその全額を切り捨てた金額とする。)同条の履行期限の翌日から納付の日までの期間の日数に応じ,年14.6パーセント(当該履行期限の翌日から1月を経過する日までの期間については,年7.3パーセントとする。)の割合を乗じて計算した延滞金(その額に100円未満の端数があるときはその端数金額を切り捨てた金額とし,その全額が1,000円未満であるときはその全額を切り捨てた金額とする。)を加算して徴収するものとする。

2 前項に規定する延滞金の計算についての1年当たりの割合は,うるう年の日を含む期間についても,365日当たりの割合とする。

3 町長等は,第1項の延滞金を納付すべき者が町の債権の履行期限までに履行しなかったことについて,やむを得ない理由があると認める場合においては,同項の延滞金を減免することができる。

4 延滞金を徴収する場合において,徴収した金額がその延滞金の額の計算の基礎となる債権の額に達するまでは,その徴収した金額は,まずその計算の基礎となる債権に充てるものとする。

(滞納処分等)

第8条 町長等は,強制徴収公債権について,第6条の規定による督促をした後,指定した期限を経過してもなお履行されないときは,滞納処分を行わなければならない。

2 町長等は,強制徴収公債権について,法令等の定めるところにより,その保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならない。

3 町長等は,強制徴収公債権について,法令等の定めるところにより,徴収猶予,換価の猶予又は滞納処分の停止を行うものとする。

(強制執行等)

第9条 町長等は,非強制徴収公債権及び私債権(以下「非強制徴収公債権等」という。)について,第6条の規定による督促をした後,相当の期間を経過してもなお履行されないときは,次に掲げる措置をとらなければならない。ただし,第12条の規定による徴収停止の措置をとる場合,第14条の規定により当該非強制徴収公債権等の履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は,この限りでない。

(1) 担保の付されている非強制徴収公債権等(保証人の保証がある債権を含む。)については,当該債権の内容に従い,その担保を処分し,若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり,又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のある非強制徴収公債権等(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については,強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しない非強制徴収公債権等(第1号に該当する非強制徴収公債権等で同号の措置をとってもなお履行されないものを含む。)については,訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第10条 町長等は,公債権及び私債権について,その履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは,遅滞なく,債務者に対し,当該履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし,第14条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は,この限りでない。

(債権の申出等)

第11条 町長等は,公債権及び私債権について,債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において,法令等の規定により町が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは,直ちに,そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか,町長等は,公債権及び私債権を保全するため必要があると認めるときは,債務者に対し,担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め,又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第12条 町長等は,非強制徴収公債権等でその履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて,次の各号のいずれかに該当し,これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは,以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し,将来その事業を再開する見込みが全くなく,かつ,差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり,かつ,差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(徴収停止の取消し)

第13条 町長等は,非強制徴収公債権等について,前条の規定による徴収停止の措置をとった場合において,事情の変更等により当該措置を維持することが適当でないと認められるときは,直ちに,当該措置を取り消さなければならない。

(履行延期の特約等)

第14条 町長等は,非強制徴収公債権等について,次の各号のいずれかに該当する場合においては,その履行期限を延長する特約又は処分(以下「履行延期の特約等」という。)をすることができる。この場合において,当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,その現に有する資産の状況により,履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害,盗難その他の事故が生じたことにより,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため,履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ,弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る債権について,債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において,当該第三者に対する貸付金に関し,第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により,当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため,当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 前項の規定による履行延期の特約等は,当該非強制徴収公債権等の履行期限後においてもすることができる。この場合において,既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る債権は,徴収すべきものとする。

(免除)

第15条 町長等は,前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約等をした債権について,当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約等をした場合は,最初に履行延期の特約等をした日)から10年を経過した後において,なお,債務者が無資力又はこれに近い状態にあり,かつ,弁済することができる見込みがないと認められるときは,当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。

2 前項の規定は,前条第1項第5号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係る債権で,同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については,債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。

3 前2項の規定による債権の免除は,債務者からの書面による申請に基づいて行うものとする。

(債権の放棄)

第16条 町長等は,非強制徴収公債権等について,次の各号のいずれかに該当する場合であって,相当の回収努力を尽くしてもなお履行の見込みがないと認められるときは,当該非強制徴収公債権等及び損害賠償金等を放棄することができる。

(1) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受けている状態又はこれに準ずる状態をいう。)にあり,資力の回復が困難で,相当の期間を経てもなお履行の見込みがないと認められるとき。

(2) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項,会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により,債務者が非強制徴収公債権等(保証人の保証がある場合を除く。)について,その責任を免れたとき。

(3) 債務者が死亡し,その債務について限定承認があった場合,相続人の全員が相続放棄した場合又は相続人が存在しない場合において,その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに当該非強制徴収公債権等に優先して弁済を受ける町の債権及び町以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。

(4) 第12条の規定による徴収停止の措置をとった場合において,当該措置をとった日から相当の期間を経過した後においても,なお履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。

(5) 第9条の規定による強制執行等の手続又は第11条の規定による債権の申出等の措置をとったにもかかわらず,なお完全に履行されなかった場合において,債務者が無資力又はこれに近い状態にあり,資力の回復が困難で,相当の期間が経過しても履行の見込みがないと認められるとき。

(6) 私債権について,消滅時効が完成し,かつ,債務者がその援用をする見込みがあるとき。

(債務者に関する情報の利用)

第17条 町長等は,第6条の規定による督促をしてもなお履行されない場合は,当該町の債権の管理に必要な範囲内において,当該債務者に関する情報を同一の実施機関(石川町個人情報保護法施行条例(令和5年条例第11号)第2条第2項に規定する実施機関及び議会をいう。以下この項において同じ。)内において利用し,他の実施機関に提供し,又は他の実施機関から収集することができる。

2 町長等は,前項の規定により利用した情報を,当該債権の管理に関する事務以外の事務に利用してはならない。

3 町長等は,第1項の規定により情報を利用する場合は,当該債務者及び第三者の権利利益を不当に侵害することのないようにしなければならない。

(議会への報告)

第18条 町長等は,第16条の規定により非強制徴収公債権等を放棄したときは,これを議会に報告しなければならない。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は,令和4年1月1日から施行する。

(延滞金の割合の特例)

2 当分の間,第7条第1項に規定する延滞金の年14.6パーセントの割合及び年7.3パーセントの割合は,同項の規定にかかわらず,各年の延滞金特例基準割合(平均貸付割合(租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第93条第2項に規定する平均貸付割合をいう。)に年1パーセントの割合を加算した割合をいう。以下この項において同じ。)が年7.3パーセントの割合に満たない場合には,その年中においては,年14.6パーセントの割合にあってはその年における延滞金特例基準割合に年7.3パーセントの割合を加算した割合とし,年7.3パーセントの割合にあっては当該延滞金特例基準割合に年1パーセントの割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.3パーセントの割合を超える場合には,年7.3パーセントの割合)とする。

3 前項の規定の適用がある場合における延滞金の額の計算において,その計算の過程における金額に1円未満の端数が生じたときには,これを切り捨てる。

(石川町の諸収入金に対する延滞金徴収条例の廃止)

4 石川町の諸収入金に対する延滞金徴収条例(昭和43年石川町条例第22号)は,廃止する。

(令和5年条例第11号)

(施行期日)

第1条 この条例は,デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。

石川町債権管理条例

令和3年12月28日 条例第33号

(令和5年4月1日施行)